最近よく聞かれる
銀行融資に関する2つの質問
こんばんは。
ホンマル株式会社代表で、元銀行審査官の村松です。
日々、経営者や提携している税理士法人の皆様方から、銀行融資についてさまざまなご質問をいただきます。
今回は、その中でも最近よく聞かれる2つの質問にお答えします。
どちらも、答えは単純な「はい」「いいえ」ではありません。
銀行がどこを見ているのか、できるだけ分かりやすくお伝えします。
Q1.前回の融資から1年ほどしか経っていません。追加融資は受けられますか?
結論からいうと、
「前回借りてから、まだ1年しか経っていない」という理由だけで、追加融資が難しくなるわけではありません。
銀行が気にするのは、期間そのものよりも、
「前回借りたお金は、何に使ったのか」
「なぜ、また資金が必要になったのか」
という点です。
たとえば・・・
前回の融資を設備投資や事業拡大に使い、その後、売上が増えたことで仕入れや人件費などの運転資金が必要になったのであれば、追加融資を申し込む理由としては自然です。
反対に、
「前回借りた資金が、想定よりも早くなくなった」
「なぜなくなったのか、社長自身も整理できていない」
という状態では、銀行も慎重になります。
私が銀行で審査をしていたころも、追加融資の案件では、「前回の融資がその後どのように使われたか」を必ず確認していました。
前回の融資金の動きが整理されていないと、銀行の担当者や本部審査官も、
「今回、なぜ追加で資金が必要なのか?」を稟議の中で説明しにくくなります。
反対に、
前回の資金使途と今回の資金が必要な理由を一本の流れで説明できれば、前回融資からの期間が短くても、銀行は検討しやすくなります。
大切なのは、前回から何年経ったか以上に、
前回のお金がどう使われ、今回の融資が何につながるのか
を、数字と事実で説明できることです。
Q2.銀行には、都合の悪いことも正直に話した方がいいですか?
これは、かなりよく聞かれる質問です。
結論から言うと、銀行の判断に影響する重要な情報であれば、基本的には伝えた方がよいと思います。
ただし、
悪い情報を、そのまま投げるだけでは不十分です。
たとえば、銀行に、
「売上が落ちています。今後どうなるかも分かりません」
とだけ伝えると、当然ながら不安にさせてしまいます。
一方で、
「主要取引先からの受注が減り、今期の売上は前期比で20%ほど減少する見込みです」
「そのため、固定費の見直しと新規取引先の開拓を進めています」
「現状の資金繰りでは、〇月頃までは資金を確保できる見通しです」
と説明できれば、銀行側も状況を具体的に判断できます。
銀行が見ているのは、悪い数字があるかどうかだけではありません。
問題が起きたときに、
- 社長が状況を把握しているか
- 原因を説明できるか
- すでに何らかの対応を始めているか
- 今後の見通しを考えているか
というところも見ています。
では、どこまで話せばよいのでしょうか。
一つの判断基準は、
「銀行がこの情報を知っていたら、融資判断や返済可能性の見方が変わるか」
です。
融資判断や今後の資金繰りに影響する情報であれば、原因や現在の対応とあわせて、早めに伝えた方がよいと思います。
私が銀行本部審査官として審査側にいた頃も、融資判断に関わる情報が後から出てきた会社については、その後の案件で確認事項が増えたり、説明をより慎重に見たりすることがありました。
銀行側からすると、
「ほかにも、まだ聞いていないことがあるのではないか」
という見方になりやすいためです。
反対に、融資判断や返済可能性にほとんど影響しない社内の細かな話まで、すべて報告する必要はありません。
何でも話せばよいのではなく、
何を、いつ、どのように伝えるか
が大切です。